今回は「アバター」についてです。
VRChatのアバターとは?と聞かれた時、説明すると、VRChat内で「自分自身を表現した姿」です。当たり前ですよね。要はSNS等で「自分の姿」を表したアイコンやサムネイルなどと同じで、自分を表現した画像や立体像のことです。もちろん、その延長線上にあるものなのですが、VRの中では表現できるレベルが違い過ぎます。
単純に立体像が「自分の動きに合わせて」動き、話す事ができる訳ですから、当然アバターも違うレベルとなるのですが…
VRChatの中では、その次元が違っていました。
VRChatの中で動かせるゲームの共通キャラクター、例えば1~5のタイプがありそこから選択して、その中から好みのものを選択して遊ぶ…確かに、それはそうなのです。もちろん、そうなんです。ですが、最初の頃はその程度にしか思っていませんでしたが…それは違っていました。
VRChatの場合、ヘッドセットやコントローラー、センサーやマイクを身に着ければ、自分の動きや声がそのまま反映されます。自分と同じ動きをして話す「アバター」が現れる。自分や相手がそこに現れてしまうのです。本当に目の前に居るかのように見えて、動いて話ができて、さらに細かい身振り手振りはもちろんですが、表情を表現して伝えることができます。以前の画像や「アバター」と呼ばれるものと比較にならない程、表現できるレベルが違い過ぎる。次元が全く違うのです。そうなってくるとアバターへの思い入れも次元が違ってきて、独自の凄い進化を遂げる事となります。
しばらくの間、VRChatの中でたくさんの方を見ていると、VRChatで「アバター」とは、「VRChatの中で演じる個人を表現するもの」と思うようになってきました。
そのアバターを自分で演じるのです。
VRChatに入ってから少しずつ、分かってきたような気がします。今の自分の容姿に近いアバターを使う方もいれば、動物系、ロボット、コミカルな感じのアバター、可愛らしいアバターとありとあらゆるアバターが存在し、それぞれに良さがあります。どれを選んでも良い訳で、何を基準に決めていくかによって大きく変わってきます。
もちろん、その日の気分によって使い分ける方も多いと思います。それを選んだということは、少なからず何らかの根拠があるのです。
また、Quest単体ではどうしても高い制限があるので、見れるアバターが限られしまうのが非常に残念です。パブリックアバターに近いようなQuest対応のアバター以外は、ほとんど見えないような感じです。大人数がで居る時は特に厳しいです。
それにしても、良い意味で日本の「かわいい女の子のアバター」は本当によくできています!
顔や全体の姿はもちろん、滑らかな四肢の動きからそれに合わせた細部の変化、体全体の動作、髪の毛や服装の動き、細かい仕草、顔の表情まで非常に繊細に作り込まれています。ジャンルというのか、確立されたものがあり、他のアバターとは一線を画しているとも言えます。作成者のセンスはもちろん、求めるものが違うのか、情熱というのか、取り組む「もの」の違いというのか、そこに「凄み」を感じます。作っている側の方も、使用している方も本当に好きでしているんでしょうね。気になったアバターの表情や動きの細かい所まで、じっくりと観察してみると、その凄さが分かってくる。
人それぞれで認識というか思いには大きな違いがあり、一律には「これです」とても言えないが、やっぱり、アバターになりきるような感覚になっている方も多い気がします。それが悪いなんて思いませんし、それができるのがVR、VRChatの最大の魅力の1つだと思いますから。
アバターによって動きや仕草がかなり違うので、当たり前だが、本人も確実に意識して操作(動き)を変えている。会う人や気分など時と場合によって使い分けをしている方はほとんどだと思うのですが、服装や髪型のようにアバターを使い分けて、その時の「演じて」いる。実社会でも同じなのですが、例えば学校にいる時と休日(私服)、会社(スーツ姿)と休日(私服)、女性の方は特にメイクや服装、髪型で誰も気づかないくらい別人になってしまう。それと同じような感覚。実社会との切り替えでVRChatに入り、アバターで切り替えて楽しい気分になって、親しいFriendと時間を共有する。これが楽しいんです!
このようにVRChatを楽しんでいる方が多い気がします。
VRChatの中は本当に自由です。
VRChatには独特の世界があります。もちろん良い意味での別世界。
これもVRChatの最大の魅力の一つ。VRChatにハマる要因の一つではないでしょうか。
アバターは専門で制作している方の作品もあれば、自分で作成することもできます。もちろんそれなりのスキルやセンスが必要なのですが、自由に作成して装着が可能です。自分自身で作成されている方も多くいらっしゃいます。
アバターによっては、作成者(クリエイター)の凄いセンスというのかプロフェッショナルな出来栄えには圧倒されます。でも、OculusQuest単体ではその綺麗なアバターのほとんどが見れないのが残念で仕方がないです。ネットの画像やYouTubeを見ればその凄さが分かります。仕草や表情、特に笑った時の表情などの「作り込み」には言葉が出ない程です。
WorldにはMirror(鏡)がある所が多く、Mirrorの前に集まって話しているのが最初は不思議だったが、その理由がようやく後になって分かってきた。自分自身のアバターの動きや仕草、相手への「見え方(映り方)」も気になるし、客観視したくなる。となると、鏡が欲しい。
鏡の前でよく見たい、観察したい、相手のアバターも自分のアバターも見たい、だから、鏡があるのです。
なぜ鏡の前でずっと話しているのかが、よく分かりました。
楽しみ方は人それぞれ違うのですが、それを全て受け入れる程の懐の深さがVRChatにはあります。楽しいから時間を掛けて喜んで欲しくて創る。
楽しいから集まる。だから続く。
「楽しみ」の本来の姿があると思います。VRChatの参加者人数とWorldの数がそれを物語っており、Worldやアバターなどを制作している「制作者側」の方々、そこに集い、楽しんでいる「プレーヤー」の方々、両方の圧倒的な情熱を感じることができます。
自分がそうなりたいと想像した容姿やあったら良いなと思ったキャラクターなど空想や理想に近い立体像が現れる。それがVRChat。
自分の願望像が自分の好きな時間に現れる。
現実での名前も容姿も年齢も何も知らないのに偶然や必然的に出会った人と繋がる不思議。
地域や国までも超えてまるで距離など無いかのように瞬時に現れる。
あっという間に現実とは別世界へ。
仕組みは理解できても、今まで経験したことのない空間がそこに広がっている。
日々、更新され進化し続ける空間。
限られた時間を精一杯楽しみましょう。
コメント